

2025年5月29日
一見すると似ていると思われている『歯垢』と『歯石』。
どちらも放置すると様々なお口のトラブルを引き起こすことに変わりはありませんが、皆さんはこれらの違いをご存じでしょうか?
今回は、歯垢と歯石の違いについてご説明し、これらが招くお口のトラブルとその対策についてご紹介します。
歯垢(プラーク)とは、歯の表面や歯と歯の間、歯と歯肉の境目などに付く白くてやわらかい汚れのことです。
それは「食べかす」などの単なる汚れではなく、口の中で増殖した細菌が、水に溶けにくくネバネバした物質とともに歯に付いた汚れで、いわば細菌の塊です。
1mgの歯垢の中には、約300種類、約1億個の細菌が生息しています。
歯垢はうがいでは取れませんので、ブラッシングなどで丁寧に取り除く必要があります。
特に、奥歯のみぞ、歯と歯の間、そして歯と歯ぐきの境目など、隙間の多い所は歯垢がたまりやすいので、ブラッシングは磨く場所を意識して丁寧に行いましょう。
歯石とは、歯垢がだ液中のカルシウムなどと結びつき、石のように硬くなったものです。
歯をきれいに磨いたつもりでも、磨き残した歯垢があれば歯石に変化してしまいます。
歯石はだ液腺の近くの「下の前歯の裏」や「上の奥歯の頬側」に付きやすい傾向があり、「歯と歯ぐきの隙間」に歯石が付くこともあります。
また、歯石は歯に硬くこびりついているため、歯垢のようにブラッシングで取り除くことはできません。
最近では自分で歯石を取る器具も販売されていますが、歯ぐきを傷つけるリスクもあるので、必ず歯科医院で除去してもらうようにしましょう。
歯垢や歯石を放置することは、むし歯や歯周病、さらには口臭の原因になります。
特に気をつけたいのが、歯と歯ぐきの隙間にたまった歯垢や歯石を放置することです。
歯と歯ぐきの隙間に歯垢や歯石がたまると、細菌が「歯周ポケット」と呼ばれる小さな隙間をつくり、そこから奥深く侵入。結果、歯肉に炎症を起こし、歯を支える骨が溶けて、最終的には歯が抜けてしまいます。
そして怖いのが、歯周病には自覚症状がほとんどなく、進行するまでなかなか気づけないことです。
気づいたときには歯が抜ける寸前だった、ということになりかねませんので、普段から「気をつけること」を習慣づける必要があります。
しかし、「自覚症状の無い歯周病をどのように気をつけるのか」、ということが問題になります。
それを解決するのが、歯科医院での定期的なメインテナンスです。
歯科医院でのメインテナンスでは、プロの手による歯石除去と、むし歯や歯周病のチェックを受けることができ、早期発見・早期治療が可能になります。
もちろん、日々の歯みがきなど、ご自身で行うセルフケアも欠かせません。
そのセルフケアについても、歯科医院では歯磨き指導などを通して、皆さんのお口の状態に合わせた、より適切なアドバイスも行うことができます。
皆さんのセルフケアと、歯科医院でのプロフェッショナルケアを習慣にして、きれいで健康なお口を目指していきましょう!