

2025年6月12日
親知らずとは、10代後半から20代後半にかけて生えてくる永久歯で、前歯から数えて8番目の位置、つまり歯列の中の最も奥に生えてきます。
その正式名称は「第三大臼歯」といい、「智歯(ちし)」や「知恵歯」などと呼ばれることもありますが、おそらく一番耳にするのは「親知らず」ではないでしょうか。
この「親知らず」という名前の由来については諸説ありますが、ある説によると、昔の人は今よりも短命であったため、自分の親が亡くなった後にこの歯が生えてくることが多く、そこから「親知らず」と呼ばれるようになったそうです。
ちなみに、親知らずは上あご・下あごの左右それぞれ2本ずつ、合計4本生えてきますが、必ず生えてくるというわけではありません。
人によっては親知らずが先天的に存在していない、または歯ぐきの中に埋まったまま生えてこないというケースもあり、生えてくる本数には個人差があります。
「生えてきた親知らずは抜いたほうが良い」と聞いたことのある方は多いと思いますが、それは親知らずの生え方の状況次第です。
口の中に十分なスペースがない場合、親知らずがまっすぐに生えてこないことは良くあります。
親知らずが斜めに傾いていたり、一部だけしか歯ぐきから露出していなかったりすると汚れがたまりやすくなるため、むし歯や歯周病のリスクが高くなり、他にも「智歯周囲炎」という炎症を引き起こす可能性があります。
また、斜めに生えてきた親知らずが、歯並びに悪影響を及ぼすこともあります。
これらのケースでは親知らずの抜歯をおすすめします。
一方、親知らずが正常な位置に生えており、周囲の歯や歯ぐきなどの歯周組織に悪影響を及ぼしていない場合は、無理に抜歯する必要はありません。
ただし、親知らずは歯ブラシが届きにくい場所にあるため、むし歯や歯周病を予防するためにも、普段からしっかりとしたケアが必要です。
親知らずの生え方にもよりますが、「タフトブラシ」や「デンタルフロス」などの補助的清掃用具を使うのがおすすめです。
なお、親知らずの正しい歯みがき方法や、補助的清掃用具の使い方などは歯科医院で指導を受けることもできます。
また、親知らずが骨の中に埋まったままで、痛みや腫れなどの症状が無い場合も、急いで抜く必要はありません。
親知らずの生え方には個人差があり、むし歯や歯周病のリスクも人それぞれですので、抜歯が必要かどうかは、皆さんの健康を第一に考えた上で、歯科医院が最善の判断をしています。
親知らずについて気になることがあれば、ぜひ一度、当院にご相談ください。