



2025年12月11日
今回はノンクラスプ義歯のお話です。
以前の歯のコラムで紹介したように、歯を失った場合の治療法には①ブリッジ、②義歯、そして、③インプラントがあります。
その中から義歯(部分義歯)による治療法を選択した場合、歯を失った部位によっては見える部分にクラスプを設置する必要があります。

クラスプとは部分義歯を口内に固定するための金属バネのことで、今回お話するノンクラスプ義歯とは、文字通り、金属バネを使わない義歯のことです。
金属バネが見える部分にある場合は、人前で笑えない等の問題点が指摘されてきましたが、歯肉色の樹脂バネを用いたノンクラスプ義歯では審美性が大幅に改善されています。

また、樹脂バネは金属バネに比べてしなやかなため、締め付け感が少ない等の利点もありますが、樹脂バネが壊れた場合や緩くなった場合の対応が難しく、金属バネ以上に日々の取り扱いに注意する必要があります。
また、併せてノンクラスプ義歯は保険外治療であることも考慮しなければなりません。
金属バネが見えるのが気になるが、予算や治療期間あるいは全身状態等の関係からインプラント治療が選択できない場合の選択肢として捉えるのが一般的です。

今回、上顎の奥歯を失った患者様に対してノンクラスプ義歯による治療を行いました。
諸般の事情からインプラント治療ができず金属バネを用いた保険義歯を装着しましたが、審美的理由からノンクラスプ義歯による再治療を希望されました。
「大きく口を開けて笑ってもバネが気にならないし、締め付け感も少ない」という感想を話され、大変満足されました。
治療後も、残った自分の歯とともに義歯の咬み合わせの変化をチェックするために、定期健診を欠かさず受診されています。
興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。
