

2025年6月26日
毎日の歯みがきは、お口の健康を保つための基本中の基本。
しかし、「薬も過ぎれば毒となる」ということわざがあるように、「歯みがきも頑張り過ぎればお口のトラブルとなる」ことがあります。
毎日しっかり歯を磨いているのに、冷たいものが歯にしみたり、ブラシを当てると歯が痛くなったりした経験はありませんか?
そんなときに疑われる要因のひとつが「くさび状欠損」です。
「くさび」というのは、隙間に打ち込んで物を割ったり、物と物を固定したりするのに用いられるV字形の道具のことですが、「くさび状欠損」とは、くさびを打ち込んだときのように歯と歯ぐきの境目が欠損している状態のことをいいます。
歯の根元を触ってみたときに段差を感じたなら、くさび状欠損の可能性が高いです。
くさび状欠損は初期の段階では違和感こそあるものの、自覚症状がない場合が多く、気がついていない方も多くいらっしゃいます。
そのまま放置して症状が進行すると冷たいものが歯にしみたり、ブラシを当てると歯が痛くなったりするほか、ケアがしづらくプラークがたまりやすいため、むし歯や歯周病になるリスクが上がります。
寝ている時や集中している時など、無意識のうちに「歯ぎしり」や「食いしばり」をしていると歯に強い力が加わり続け、その力が歯と歯ぐきの境目に集中して歯の表面に細かなヒビが入り、くさび状欠損が生じてしまうことがあります。
また、くさび状欠損を進行させる要因として案外多いのが「歯の磨きすぎ」です。
次のことが当てはまる方は要注意です。
特に歯みがきに熱心な方ほど、これらの傾向が強いです。
くさび状欠損には、「欠損した部分に歯科用の樹脂を詰める」という治療法があります。
この治療法により患部がしみるのを軽減させ、なおかつ見た目もキレイにすることができます。
しかし、根本的な問題である歯ぎしりやブラッシングといった習慣を改善しなければ、せっかく治療して樹脂を詰めてもすぐに剥がれ落ちてしまう恐れがあります。
そこで、歯ぎしり用のマウスピースを利用したり、ブラッシング方法や歯ブラシの選び方を見直したりするなど、原因に対するアプローチが重要になるわけです。
歯科医院では、皆さんの症状に合わせた、最適なアドバイスをすることができます。
もし、「冷たいものが歯にしみる」、「ブラシを当てると歯が痛む」といった症状が出たら、早めに歯科医院で相談してみてください。