

2025年7月3日
夏と聞くと、どこかワクワクする冒険の予感がしますよね。旅行やキャンプに行ったり、海辺でのんびりしたり、マリンスポーツで汗を流したり…
しかし、そんな最中に突然、歯の痛みが襲ってきたら、せっかくの楽しみも台無しですよね。
むし歯や歯周病への注意はもちろん必要ですが、実は旅行中やレジャー中だからこそ起こりやすい「気圧性歯痛」という歯の痛みが存在しています。
飛行機で離着陸するときに、耳がつまったり、痛みを感じたりした経験はありませんか?
これは、飛行機が離陸した後・着陸する前の数十分の間に機内の気圧が徐々に調節されることで、鼓膜の内側と外側に大きな気圧差が生じるためです。
他にも、飛行中にお腹が痛くなったり、吐き気を催したりするケースもあり、これらは航空会社から注意喚起されています。
そして、同様のケースとして「歯痛」もしっかりと注意喚起されています。
実は、飛行機内で歯が痛むのも気圧の変化が関係しています。
例えば、機内に持ち込んだ未開封のスナック菓子の袋が、飛行機の高度上昇とともに膨らんでいくのはご存じでしょうか?
機内の気圧は地上では1気圧ですが、離陸後、高度上昇中に少しずつ気圧を下げて、高度約10,000mの水平飛行中では0.7~0.8気圧になるよう調整されています。
一方、スナック菓子の袋の中は開封されるまでは1気圧ですので、飛行機の高度が上がって機内の気圧が低下すると、袋の外(機内)の気圧より袋の中の気圧の方が高くなり、袋が膨らむのです。
飛行機内で歯が痛む理由もこれと同じです。
歯の内側には神経が詰まった「歯髄腔(しずいくう)」という空洞があり、歯の外側の気圧が下がることで相対的に内側の圧力の方が高くなり、痛みを引き起こしてしまうのです。
このように気圧が変化することで生じる歯痛を「気圧性歯痛」といい、飛行機以外にも、登山やダイビングなどでも起こりやすいと言われています。
特に、むし歯治療中の場合は気圧性歯痛が起こりやすくなります。
もし、これから旅行やレジャーを控えているにも関わらず、治療が必要な歯や治療中の歯を放置している方、しばらく歯科検診を受けていない方は、まずは一度歯科医院を受診してみることをおすすめします。
安心して思い出作りに専念できるよう、事前の検診で万全の準備を整えることが大切です。