

2025年7月17日
皆さん、歯に違和感があったり痛みがでたりしたとき、すぐに歯科を受診していますか?
「歯の痛みは我慢できるから」と放置してしまうと、後々恐ろしい事態に発展してしまう可能性があります。
そこで今回は、「むし歯を放置するとどうなるのか」についてご紹介します。
歯がしみるといった症状が出ているとき、むし歯菌がすでに歯の内側の「象牙質」と呼ばれる組織まで進行しているケースがほとんどです。
しかし、むし歯菌が神経まで達していなければ、治療は比較的早く終わり、費用もそれほど大きな負担になりません。
一方、むし歯を放置し続けてむし歯菌が神経にまで達してしまうと、ズキズキと激しい痛みに襲われるようになり、ここから治療を始めたとしても神経を抜かなければなりません。
神経には栄養素を歯に運ぶ役割があるため、神経を抜くと歯の寿命が確実に短くなってしまいます(参考:歯のコラム「歯の神経(歯髄)の役割」)。
それだけでなく、当然ながら治療期間は延びて費用も余計にかかってしまいます。
実は、むし歯のひどい痛みを我慢し続けていると、痛みがなくなることがあります。
ですが、これはむし歯が治ったというわけではなく、神経が完全に死んでしまって感覚がなくなっているだけの可能性が高いです。
そして、痛みがなくなったからとむし歯をそのまま放置すると、むし歯菌は歯の中でどんどん繁殖して静かに浸食を続け、やがて歯の根っこの先、つまりあごの骨の中に到達します。
そうすると、そこに細菌の病巣ができ、膿がたまって再び激しい痛みを引き起こしたり、顔全体が腫れあがったりしてしまいます。
多くの場合、この段階まで進むと、歯を残すのが非常に難しくなってしまいます。
さらに炎症が進行すると、あごの骨が壊死し始める可能性もあります。
そうなってしまうと激しいあごの痛みが生じ、骨が露出したり、皮膚に穴があいたりすることもあります。
それだけでなく、炎症が目や脳、首、胸にまで広がることもあり、最悪の場合、呼吸困難に陥り、命の危機に直面することもあります。
むし歯は放置しておいても自然治癒する病気ではありません。
むし歯の痛みを我慢してもメリットは何もなく、その先に待つのは抜歯です。
歯に違和感があったり痛みを感じたりしたら、迷わず歯科医院へ行き、プロの診断を受けることが大切です。
また、定期検診では、歯のクリーニングだけでなく、むし歯の有無のチェックも行っています。
定期的に検診を受けることで、仮にむし歯ができていたとしても進行する前に早期発見・早期治療ができることが多いです。
歯の寿命を延ばし、一本でも多くの歯を残すためにも、定期的に歯科を受診することをおすすめします。