

2025年5月15日
「甘いものをたくさん食べているとむし歯になりやすい」という話を聞いたことはありませんか?実は、これは本当の話なのですが、だからと言ってただ甘いものを控えるだけではむし歯予防としては十分ではありません。
実は、むし歯が発症する要因には「細菌」「糖分」「歯質」「時間」があります。
むし歯になるリスクを下げるためには、これら全てに目を向けることが大切です。
そこで今回は、むし歯を作るこれら4つの要因についてご紹介します。
私たちの口の中には、実に様々な細菌が存在しています。
それらの中にはむし歯の原因となるものも含まれており、もっとも有名なのが「ミュータンス菌」です。よく「むし歯菌」と言われるのはこの細菌のことです。
ミュータンス菌は口に残った食べかすを餌にして増殖し、その過程で出すネバネバの物質が歯にくっついてプラーク(歯垢)となります。つまり、プラークは単なる食べかすではなく、「細菌の塊」なのです。
だからこそ、丁寧にブラッシングしてプラークを落とし、ミュータンス菌の増殖を防ぐことがむし歯予防には肝心です。
ミュータンス菌は糖分をエネルギー源として増殖し、その過程で酸を生み出します。
実は、「むし歯」とはこの酸によって歯の表面が溶かされた状態のことなのです。
ついつい手が伸びがちなキャンディや甘くておいしいケーキなど、砂糖がたっぷり含まれたお菓子はむし歯になりやすいため要注意です。
おやつには、砂糖が使われていないおせんべいやクラッカーなど、糖分が少なくお口の中に残りにくいものを選ぶのがおすすめです。
実はむし歯になりやすいかどうかは、人によって異なります。
普段あまりブラッシングしなくてもむし歯になりにくい人や、どんなにケアしていてもむし歯になってしまう人がいるのは、「歯質」に差があるからです。
歯質は遺伝やお母さんのお腹の中にいたときの栄養状態が関係していると言われていますが、乳幼児期からカルシウムやビタミンなどの栄養素をバランスよく摂取することで、将来生えてくる永久歯をより丈夫な歯質にすることが可能になります。
お子さんの未来の歯を守るためにも、食事や栄養バランスに気を配りましょう。
歯の表面では、「脱灰(だっかい)」と「再石灰化」が繰り返されています。
脱灰とは飲食することでむし歯菌が糖を餌に酸を作り出して歯の表面を溶かす現象で、再石灰化とは脱灰によって溶かされた歯の表面をだ液が修復する現象です。
この脱灰と再石灰化のバランスが保たれている間はむし歯になりにくいのですが、食後の歯みがきが不十分だったり、間食が多かったりするとこのバランスが崩れ、歯の修復が追いつかない状態になることで、むし歯になってしまうのです。
だからこそ、食後にしっかりと歯を磨き、間食を控えることが、歯を守ることにつながっていくのです。特に、歯質が未熟な乳歯や生えたばかりの永久歯はむし歯になりやすいので要注意です。
どれだけ丁寧にセルフケアをしても、どうしても磨き残しがあったり、むし歯ができてしまったりすることがあります。
そこで大切なのが、数か月に一度の定期検診。
プロの手によるプラーク除去とむし歯チェックは、普段見落としがちな部分をしっかりとケアしてくれます。
大切な歯をしっかり守るためにも、定期的に歯科検診を受けましょう!